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ブエナビスタ・

記憶の彼方へ・ 変わらない何かと移ろいゆく時間の中で・・

2011年03月24日 SUBJECT: 東山祈りの灯り・ Ⅵ
IMGP0353モノクローム
京都市東山区「高台寺」 PENTAX K-5 + TAMRON 18-200mm F3.5-6.3 LD XR DiⅡ

月天子 -宮沢賢治

私はこどものときから
いろいろな雑誌や新聞で
幾つもの月の写真を見た
その表面はでこぼこの火口で覆はれ
またそこに日が射してゐるのもはっきり見た
后そこが大へんつめたいこと
空気のないことなども習った
また私は三度かそれの蝕を見た
地球の影がそこに映って
滑り去るのをはっきり見た
次にはそれがたぶんは地球をはなれたもので
最后に稲作の気候のことで知り合ひになった
盛岡測候所の私の友だちは
──ミリ径の小さな望遠鏡で
その天体を見せてくれた
亦その軌道や運転が
簡単な公式に従ふことを教へてくれた
しかもおゝ
わたくしがその天体を月天子と称しうやまふことに
遂に何等の障りもない
もしそれ人とは人のからだのことであると
さういふならば誤りであるやうに
さりとて人は
からだと心であるといふならば
これも誤りであるやうに
さりとて人は心であるといふならば
また誤りであるやうに
 
 
しかればわたくしが月を月天子と称するとも
これは単なる擬人でない
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